エンベデッドシステムスペシャリスト

エンベデッドシステムスペシャリストとは?
エンベデッドシステムスペシャリストとは、正式名称はエンベデッドシステムスペシャリスト試験といい、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する国家資格「情報処理技術者試験」のなかでも、上位試験のレベル4となる専門的な試験です。

エンベデッドシステムとはあまり聞き慣れない言葉ですが、一口にいうと組み込みシステムのことです。
わたしたちがふだん使っている製品の多くに、IoT技術が使われています。
家電や自動車、家電、モバイル機器、カーナビなどさまざまな製品に搭載されているコンピュータシステムのことを、エンベデッドシステムといいます。
その製品専用のコンピュータシステムなので、快適に機器を使えるようにクイックレスポンスが求められますし、製品に組み込むため小型のものが多く、メモリやバッテリも大量に詰め込むことができません。
制約の多いなかで、求められる機能を発揮する高品質のコンピュータシステムを構築する、組み込みエンジニアのスペシャリストを目指す人におすすめの試験です。

エンベデッドシステムスペシャリスト試験の内容

(参考記事)
エンベデッドシステムスペシャリスト試験 - IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

この試験では組み込みエンジニアのスペシャリストとして、次の4つのスキルがあるかどうかが試されます。
第1は、機能とリアルタイムな稼働を実現するハードウェアとソフトウェアの機能分担が適切に行える設計書や仕様書の作成能力。
第2は、組み込みシステム開発の制作現場でリーダーとしてプロジェクトを進めていく能力。
第3は、特定の技術または製品分野について専門的な知識と経験を持ち、これらの知見を生かして開発に反映させる能力。
第4は、開発環境の整備・改善が行える能力。

出題範囲は
(1)組み込みシステムの設計及び構築
(2)組み込みシステムのソフトウェアの設計
(3)組み込みシステムのハードウェアの設計
です。

毎年春に実施され、試験は午前に午前I(50分)と午前II(40分)の2つの試験があり、いずれも四肢択一問題です。午後からは午後I(90分)と午後II(120分)の試験があり、いずれも記述式問題が出題されます。
合格ラインは、どの試験も100点満点中60点以上を取る必要があります。
また、過去2年以内に応用情報試験に合格しているか、高度情報処理区分の午前Iに合格していれば、午前1試験は免除されます。

2016年の受験者数は4,205名、合格率は17.2%でした。
独学で勉強する場合は、午前の試験は過去問題を数多く解くのが近道です。
午後の試験は記述式なので、何を問われているのかを正確に把握するために、文章読解力を養いましょう。
こちらも過去の問題を繰り返し解くことをおすすめします。
午後試験I、IIともに、時間との勝負になります。
過去問題を実際に解きながら出題傾向と、試験時の時間配分を体で覚えるようにしましょう。