ネットワークスペシャリスト

ネットワークスペシャリスト

ネットワークスペシャリストとは、ネットワークに関して優れた専門性をもつことを証明する国家資格で、正式名称をネットワークスペシャリスト試験といいます。
情報処理推進機構(IPA)が実施する「情報処理技術者試験」のうちの1つで、ネットワークエンジニアやインフラ系のエンジニアを目指す人におすすめです。

試験の対象者として、ネットワークに関する技術を活用し、最適な情報システム基盤の企画から開発、運用において、リーダー的な役割を担うとともに、スペシャリストとして技術指導や支援が行える人が想定されています。

国家資格として国内では高い評価を得ていますから、企業が資格取得を奨励しているケースも多く、社内でのスキルアップや、転職時の評価にも有利です。
また国家資格なので、官公庁などかのシステム開発の入札時に、この資格の取得者がプロジェクトチームにいることが条件となることもあるので、官公庁からの受注が多い企業では、かなり重視される資格となっています。

ネットワークスペシャリスト試験の内容

(参考記事)
ネットワークスペシャリスト試験 - IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

この試験に求められるスキルは、ネットワークシステムを企画から開発、運用までの業務について、次の3つの役割において指揮をとるとともに、指導者となれる資質です。

役割の1つ目は、ネットワーク資源の管理です。
2つ目は、高機能かつ安全なネットワークシステムの企画、条件設定、開発、そして運用・保守業務。
3つ目は、情報システムの開発案件での技術支援です。

このため出題範囲は
(1)ネットワークシステムの企画、条件設定、開発、そして運用・保守
(2)ネットワーク技術、関連法規、国内・国際標準や他規格
(3)ネットワークサービス活用
(4)ネットワーク・アプリケーション技術
となります。

試験は年に1度、秋に行われ、試験当日のスケジュールは午前に四肢択一の午前試験Iが50分、四肢択一の午前試験IIが40分。
午後に記述試験の午後Iが90分、同じく記述試験の午後IIが120分行われます。
合格基準は、すべての試験で100点満点中60点以上です。

2016年の試験は1万8,096人が受験しており、合格率は15.4%でした。
難易度が高く、かなり経験を積んでいるベテランでも、合格が難しい試験です。
特に午後からの記述試験が難関で、エンジニアとしての技術があっても、読解力や文章能力が未熟だったり論理的な文章が書けなかったりすると、合格レベルに至るのは困難です。
日頃から試験を意識して、わかりやすく的確な文章を書くよう心がけましょう。
特に独学で合格するためには、かなりの勉強が必要です。
独学では途中で挫折するかも……と不安を感じる方は、通信講座などの利用するのも一つの方法です。