ITサービスマネージャ

ITサービスマネージャ

ITサービスマネージャとは高品質なITサービスを提供する業務システムの運用や管理を行う責任者のことをいいます。
そして、ITサービスマネージャに必要な知識や技術が一定水準以上のレベルにあることを認定する国家資格が、ITサービスマネージャ試験です。
この試験は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施している「情報処理技術者試験」の1つです。
情報処理技術者試験はレベル1~レベル4までの4段階に分かれており、この試験はそのなかでも上位に位置するレベル4の段階に位置します。

この試験の対象となる人は、情報システムを安定的に稼働させ、トラブル発生時には被害を最小に留めるとともに、継続的な改善や品質管理など、安全かつ信頼度の高いITサービスをマネジメントできる人です。

ITサービスマネージャ試験の内容

(参考記事)
ITサービスマネージャ試験 - IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

この試験で求められるスキルは、主に次の5つです。
第1は、運用管理・オペレーション・サービスデスクなどのチームの主導者として、サポートサービスとサービスデリバリプロセスの実施および整備を行い、ITサービスを提供できるスキル。
第2は、アプリケーションのライフサイクル管理で、システムの受け入れや運用などが行えるスキルおよび、安定した情報システム基盤を整備し、効率的な運用管理が行えるスキル。
第3は、ITサービスとマネジメントプロセスを見直し、常に改善できるスキルおよび、顧客満足度を向上させるスキル。
第4は、情報セキュリティを適切に管理するスキル。
第5は、顧客の要望に応じたハードウェアとソフトウェアの導入、カスタマイズ、保守・整備を実施するスキルおよび、データセンタのファシリティマネジメントが行えるスキル。

試験では、上記のスキルがあるかどうかを問う問題が出題されます。
出題範囲は
(1)サービスマネジメント
(2)サービスの設計・移行
(3)サービスマネジメントプロセス
(4)サービスの運用
(5)情報セキュリティの運用・管理
(6)ファシリティマネジメント
です。

(1)サービスマネジメントでは、サービス提供プロセス、サービスマネジメントシステムの確立と改善などが出題されます。
(2)サービスの設計・移行では、新規サービスの設計、サービスの変更計画、サービスの開発、サービスの移行などについての問題が出されます。
(3)サービスマネジメントプロセスでは、サービス提供プロセス、関係プロセス、解決プロセス、統合的制御プロセスなどについて出題されます。
(4)サービスの運用ではシステムの運用管理、運用オペレーション、サービスデスクなどについての問題が出ます。
(5)情報セキュリティの運用・管理ではISMSや情報資産管理、リスク評価、セキュリティインシデント、物理的セキュリティ、ネットワークセキュリティソリューション、アクセス制御などが出題範囲となります。
(6)ファシリティマネジメントでは、ハードウェアおよびソフトウェアの基礎的な技術、システムの保守・管理、データセンタ施設のファシリティマネジメント、設備管理などについて出題されます。

試験は毎年、秋に1回実施され、試験に合格すると、経済産業大臣から情報処理技術者試験合格証書が与えられます。