ITストラテジスト

ITストラテジストとは?

ITストラテジストとは、正式にはITストラテジスト試験といい、ITを経営に生かす戦略家としての能力を証明する試験で、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施しています。

この試験は国家試験の情報処理技術者試験の1ですが、IPAはキャリアパスに沿って系統立てて勉強ができるように、情報処理技術者試験を4つのレベルに分けています。
ITストラテジスト試験はその中で最高レベルのレベル4の試験となります。

この試験の受験者として想定されている人物像は、専門分野をもつハイレベルなIT人材で、情報技術を駆使して企業の基本的な戦略を立案、提案、推進できる人、または組み込みシステムに関する企画や開発を統括し、新たな価値を創出するための基本戦略の立案、実行ができる人です。

ITストラテジスト試験の内容は?

(参考記事)
ITストラテジスト試験 - IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

この試験で試されるスキルは、情報技術を活用したコンサルティングや開発業務ができる能力で、主に次の5つの知識や技能があるかどうかが試されます。
第1は、業種ごと特徴を考慮しつつ、情報技術を駆使して事業戦略を立案し、その結果を評価できる能力。
第2は、業種ごと特徴を考慮しつつ、情報システム戦略と全体のシステム化計画の立案と、実施した結果を評価できる能力。
第3は、情報システム戦略を遂行するために、個別のシステム化計画を立案し、その結果を評価できる能力。
第4は、情報システム戦略を遂行するために、各事業の制約などを踏まえつつ、複数の案件から構成される改革案の実行・管理能力。
第5は、組み込みシステムの開発計画の立案と、開発から製造、保守へと至るライフサイクルの統括能力。

企業の経営戦略や開発事業の指導者として能力が求められるため、かなり難易度の高い試験となっています。

試験は年に1回、秋に実施され、午前と午後にそれぞれ2つの試験があります。
午前の試験Iは四肢択一で50分、試験IIは四肢択一で40分です。
午後の試験Iは記述式で90分、試験IIは記述式で120分。
合格レベルは、午前I、II、午後Iは満点中60%位上、午後IIは4段階の評価ランクでAの取得となっています。
2016年の受験者数は6,676名、合格率は14.0%でした。
非常に難易度の高い試験であることがわかりますね。

特に午後の試験は難易度が高く、時間切れになって全部回答できない人も多くいます。
何を問われているかをしっかりと把握できるように、文章読解力を身に付けましょう。
そのためには何度も過去問題を解いて、どのようなことを問われる傾向が強いのかを体で覚えることが大切です。
また、合格論文の事例集も出版されていますから、どのような答えが合格になりやすいかを知るためにも、このような本を参考にすることをおすすめします。