女性管理職はなぜ少ないか

企業が成長するきっかけは?

合理的な選択をしている企業が成長を遂げていることは、現在日本にもある大企業を見ても明らかです。中でもトヨタは製造業の中で世界でもトップクラスの業績を叩き出しているなど、戦後の日本企業の成長は目覚ましいものとなっています。

この成長を支えているのが合理的な選択なのです。

不要な在庫を抱えない、また在庫の管理にかかる費用をできるだけ少なく抑えることに成功したトヨタの「かんばん方式」は、世界からも注目を集める在庫管理方法であり、この方法を採用したのは、まさに合理的な選択だったのだと言えます。また、トヨタだけでなく日本を代表する大企業は、すべからく業務の効率化という合理的な選択をすることで成長を遂げてきました。

参考>>トヨタ | かんばん方式とは何ですか?

企業を動かしているのは?

人、物、金が企業を支えている三大要素であることは、広く知れ渡っています。それぞれ重要な物ですが、企業が新たなサービスを提供するにあたり、特に重要になってくるのが人、すなわち人材だと言えます。能力のある人材がいなければ、新たな発想が展開されることもなく、既存のシステムに捉われた保守的な企業になってしまうのです。

各社が競争して、企業に利益をもたらしてくれるような人材を獲得するために動き出しています。これまでは、男性ばかりを雇おうとしていた企業が多かったのですが、現在ではその風潮も変わり、女性社員も積極的に登用しようと考えている企業も多くなってきました。ではなぜ企業が女性に目を向けるようになってきたのでしょうか。

女性は男性と比べて、出産や育児など、企業にとって様々なリスクを持っています。せっかく雇ったとしても、そういったことが原因で2年や3年で仕事を辞められてしまうと、新入社員を育てるためにかかった時間やお金が無駄になってしまうため、以前は女性の雇用を嫌っていました。ですが、男性には無いような女性特有の細やかな気遣いなどの感性は、企業が新たなサービスを展開するにあたり必要な要素になり得るため、男性しか雇わないという保守的な考え方
は見直されたのです。

女性管理職が少ない理由

女性も採用するという風潮は、現在新たな風潮として社会から受け入れられつつありますが、まだまだ保守的な考えを持っている企業も多いのが実情です。資金に余裕がある大企業は、そういった挑戦をすることも可能ですが、失敗するリスクもあるため、中小企業ではなかなか取り入れられないのだと言われています。社会の大部分が中小企業でできていますので、女性管理職が少ないと言われることもうなずけます。

しかし、新たな風潮が中小企業にも浸透するにつれて、女性が企業の行く末を担う存在になっていくことは明らかでしょう。職種によっては女性管理職が増えてきているものもあります。例えば、公認会計士です。そもそも公認会計士になるまでの道のりが長いですが、試験に合格して認められれば長く続けられる仕事です。実際に会計事務所や税理士法人で管理職が女性という求人も多くみられます。

これらの情報が可視化された影響からか、就職や転職をするうえでキャリアアップがしやすく、管理職になりやすい業界を選ぶ女性も少なくありません。

男性だけ採用する、といった方法では人材は全人口の半分にしか目を向けていませんが、女性も採用するとなると、企業が持つ可能性は単純計算で倍になります。したがって、性別を問わず積極的に能力のある人物を採用するという方法が、より多くのサービスを提供するために必要な、合理的な選択なのだと言えるのです。