自分で考えさせる

仕事を一通り覚え、周囲の人間に的確な指示を出せるようになった者が中間管理職に抜擢されていきます。
中管理職になると、組織の上層部からの指示や方針などの要求に加え、部下からの要望もあるため、板挟み状態となり、悩みを抱えてしまう人も多いです。
この役職についている人の悩みの中でも特に多いのが、部下との付き合い方が分からないというものです。

部下を上手に扱っていくためには、どのような点に注意して仕事を進めていけば良いのでしょうか。

仕事がつまらないと感じさせてしまうと、部下は仕事に対し、自発的に取り組む姿勢を取らなくなってしまうので、組織の士気は低下してしまいます。
そうならないためには、仕事の最終目標や目的を明確に示してあげる必要があります。
目標へのプロセスは、部下個人に考えさせていくことが効果的です。

しかし、これには注意しなければならない点もあります。
それは、管理職になっている人自身が、そのプロセスを逐一確認しなければならない点です。

部下に対する指示は、上層部の指示ありきのものですので、もしも仕事が完遂しなかった場合には管理職の責任問題に発展してしまいます。
したがって、上の指示や方針を守りつつ部下を育てるためには、部下が考えたプロセスを適宜チェックし、掲げた目標に対して道がそれ過ぎていないかを確認しなければなりません。
また、部下の考え方に対し、ある程度寛容に仕事を進めなければなりません。

部下が育っていくと、管理職の自分には、仕事をより効率的に進められるというメリットもあります。
自分が身を置く部署の業績が良くなれば、自分自身も上から認められ、部下からも慕われるため、大きなメリットを得られるのです。

慕われるための具体的な方法は?

1、 押しつけない
自分の仕事を部下に押しつけないのは勿論のこと、意見も押しつけないことが部下に慕われるためには必要になります。
意見が食い違ってしまった場合には、お互いに言葉を交わすことで歩み寄らなければなりません。

上下関係があると、部下は遠慮してしまうため、意見がなかなか伝えられません。
部下の意見は、部下がある程度妥協した上でも言わずにはいられない、ということで上司に伝わりますので、上司はその最終通告をしっかりと聞き入れなければなりません。
勿論上司としての要望もありますので、部下と意見が合わない場合には、コミュニケーションを密に取っていくことが必要です。

2、 部下に悩みを話してみる
人は秘密を共有することで、より密接なコミュニケーションを図ることが可能になります。
悩みがあるのならば部下と共有することで、自分自身も楽になりますし、相手も「自分は信頼されている」と思います。
そして、何よりも自分の人間性を部下に示すきっかけとなるため、非常に重要なプロセスになるのです。

しかし注意したい点もあります。
それは、仕事の悩みを部下に言わないことです。
仕事上の愚痴や悩みを伝えることは、自身のイメージダウンにもつながる他、それがきっかけで他の部下へも影響を及ぼしかねないため注意しなければなりません。

仕事以外の悩みを打ち明けることで、部下からも悩みや相談をしやすい環境を整えていくのが、上手な付き合い方なのです。

コンセプチュアルスキルとは?

ビジネススキルは「ヒューマンスキル」「テクニカルスキル」そして「コンセプチュアルスキル」から成り立っています。
これらのスキルは仕事を円滑に進めていくためには必要不可欠な資質であり、また上位の管理職になればなるほどこれらのスキルを高める必要があります。
対人関係を良好に保つために必要なヒューマンスキルは、自分がどの立場であるとしても必要ですが、テクニカルスキルとコンセプチュアルスキルは立場が変化するにつれ、必要度が変化していきます。

役職が低いほどテクニカルスキルが必要とされており、高い役職での仕事にはコンセプチュアルスキルが必要になってきます。
コンセプチュアルスキルには、論理的思考力や問題解決能力、応用力が含まれているため、このスキルが高い人は従業員に指示を出すような立場に立った場合には、急な問題にも適応できます。
そのため、コンセプチュアルスキルは組織の上層部から下層部の人間への指示をしっかりと出すために必要となるのです。

コンセプチュアルスキルは概念化能力とも呼ばれており、この能力は理系の人よりも文系の人の方が持っている割合が高いと言えます。
文系の人には、状況をマクロに見る人が多く、文系出身の経営者も多く存在しているのです。
しかし、もとから自身にあるかどうかは別として、このスキルは努力次第で身に付けていくことも可能と言われています。

このスキルは一朝一夕で身に付けられる物ではなく、日々の努力により徐々に培われていくという認識を持ち、生活を送らなければなりません。
では、コンセプチュアルスキルを高めるためには、具体的にどのように研鑽を積んでいけば良いのでしょうか。

本を読む人ほど収入が多い

一般的なサラリーマンの読書量は年間3冊程度ですが、高収入を持っている人は年間に100冊もの本を読むと言われています。
高収入の人に共通している生活習慣にはこの読書にあると言われていますが、読書をしているかどうかだけで、一般の人とはどのような違いが出てくるのでしょうか。

まずは、知識量についてです。
読書をしている人としない人とではその知識量に雲泥の差があります。
読書を通じて新たな考え方や知識をインプットしていくことが仕事にも生かされていくのです。

また、温故知新という言葉にもあるように、既存の価値観や考え方を身に付けることは、新たな価値観を生み出すきっかけにもなり得るため、読書はその点に関しても非常に重要であると言えます。

年間100冊読むためには、3日から4日で1冊を読むという読書量になりますが、年収を上げるという目的だけならば、ここまであからさまに読書に時間を割かなくても大丈夫です。
まずは、月に3冊程度の読書量を目標にしてみると良いでしょう。

次に、アウトプットについてです。
読書をしている人は読書をしていない人と比較し、様々な言葉を知っています。
表現力が豊かになると、自分の部下に対し、自身の方針や考え方を上手に伝えられるようになります。
これは自身の人望や人間性、ひいては良好な人間関係の構築にも大きく関わってくることでもあります。

人に伝わるように自分の考えをまとめ、自分の言葉で表現できるようにするためには、日記を書いて行くのがお勧めです。
毎日数行の日記を書くだけでも構わないので、日記を継続して書いていってください。

管理職に必要な資質は?

一般的には、管理職に就くためには仕事を一通り覚えなければなりません。
これは、部下に的確な指示を出さなければならないことに起因しており、多くの企業で採用されている手法です。
業務を遂行するために最重要である知識のことがテクニカルスキルと呼ばれており、このスキルが磨かれなければ効率的に仕事をこなすことはできません。

テクニカルスキルは、どの分野の仕事にも存在します。
例えばIT企業だった場合にはプログラミングの知識がこれにあたりますし、製造業の場合には機械の動かし方もこのスキルに該当します。
そして、これらの知識を一通り身に付けた段階で、管理職を任されていくのです。

しかし、基本的な知識だけを身に付けられれば人を完璧に動かせるわけではありません。
また、部下達に的確な指示を出すのも管理職の仕事の一つですし、従来までこなしていた仕事もこれまでと同様にこなしていかなければならないのです。
それに加え、これまで自分ではこなせなかったことを、自ら勉強することで可能にしていくことも、管理職には必要になってきます。

目的を明確にしてスキルを身に付ける

スキルアップをしていくことは良いことですが、ただ闇雲に勉強していても会社には貢献することは難しいです。
思いつきで英会話ができるようになろうと、勉強をしたとしても、仕事によっては全く必要なかったりするので、目的と順位を明確に付けて勉強を進めていくことが必要となります。
仕事を進めていく上でどのような問題点があり、その問題を解決するために勉強をしていけば、より効率的に勉強していけるはずです。

大きな目標を立てすぎてしまうと、途中で挫折してしまう可能性もあるので、身近な目標を持ち、自道にスキルアップを目指していくことが必要であると言えます。

管理職に必要な物はテクニカルスキルだけではない

テクニカルスキルは業務遂行能力とも呼ばれており、仕事を効率的にこなすためには必ず必要になるスキルのことですが、管理職に必要なスキルはこのスキルだけではありません。
管理職には部下を育てる能力も必要になってきます。
なので、部下とのコミュニケーションをしっかりと取りながら、距離を縮めていくことも必要です。
そのためには相手の立場になって物事を考えたり、しっかりと部下の言葉を聞いてあげるように注意していかなければなりません。

部下への指示と教育、それから新たな仕事をこなしていき、これまでやってきた仕事も遂行しなければなりません。
多忙ではありますが、自分がこれまで培ってきたテクニカルスキルを部下に伝授し、それに対して自分は仕事の幅を広げるために新たなスキルを身に付けていければ、業務が効率化され、成績が伸びていくことは間違いないでしょう。

管理職に必要な要素とは?

管理職に就くと、技術的な能力と同時にこのような、皆をまとめて方針を決めていくようなスキルも必要になってきます。
現在ではヒューマンスキルが業績を伸ばすために必要なスキルであると言われており、多くの企業で中間管理職に就いている人のスキルアップを目指しています。
そのため、スキルアップを意識してもらうためにセミナーを開く企業も少なくなく、また、そういった方々を対象とした自己啓発本も出版されているなど、社会で大きく見直されている部分でもあります。

日頃の業務を遂行するにあたり必要になる専門的知識は、周囲の人と話すことで培われていきます。
ヒューマンスキルとは、主に上手に人と接する力のことを言いますが、人と話すことだけがこのスキルにカテゴライズされるわけではありません。
コミュニケーション能力の他にも、マネジメントやプレゼンテーション能力もこれに含まれており、それらを総括すると、良好な人間関係を構築するために必要なスキルだと言えます。

しかし、ヒューマンスキルを向上させるためには、自身の考え方や行動を見つめ直す必要があるため、スキルを磨くためには多大な時間を費やしてしまいます。
すぐにでもスキルを向上させるためには、どういったことに注意して業務をこなしていけば良いのでしょうか。

どんな努力をすれば良いのか?

「聞き上手になること」
話上手は聞き上手、という言葉にもあるように、円滑なコミュニケーションを取るためには相手の話をしっかりと聞くことが重要です。
相手の考え方や価値観を把握した上で話ができると、相手を気遣った言葉を選ぶことが可能になりますので、まずは聞き上手を目指してみると良いです。

「簡潔に伝える」
自分の考えを上手に伝えることや、何かの説明をしっかりと伝達することは、案外難しいことです。
こちらは従業員や同僚に仕事の連絡をしたつもりでも、実際には確実に伝わっていないこともあるので、ミスを少なくするためにも着実に意思を伝達するのは重要です。

また、部下に対し、伝えたい内容を噛み砕いた上で教えることもスキルの向上につながります。
一般的な業務をこなすために必要な知識を一度持ってしまうと、どうしても専門用語を使った説明をしてしまい、話の趣旨を履き違えた説明をしてしまいがちです。
しかし、誰でも分かるような説明をしてあげれば、相手にも伝わりやすくなるので、業務上のミスも減ってきます。

日常生活から自分を変えていく

相手の考え方を理解し、言葉を選んで会話をすることはとても難しいため、なかなかできる人は少ないです。
また、自分の考えを可能な限り簡潔に述べることも、意識をしない限り改善することはありませんので、日常生活から少しずつ意識して変化させていくことが必要になります。
ヒューマンスキルを身に付けることは、仕事を効率的にこなすだけでなく、プライベートの人間関係を良好に保つためにも大切なことだと言えるので、変化させていき、損なことはありません。

企業が成長するきっかけは?

合理的な選択をしている企業が成長を遂げていることは、現在日本にもある大企業を見ても明らかです。中でもトヨタは製造業の中で世界でもトップクラスの業績を叩き出しているなど、戦後の日本企業の成長は目覚ましいものとなっています。

この成長を支えているのが合理的な選択なのです。

不要な在庫を抱えない、また在庫の管理にかかる費用をできるだけ少なく抑えることに成功したトヨタの「かんばん方式」は、世界からも注目を集める在庫管理方法であり、この方法を採用したのは、まさに合理的な選択だったのだと言えます。また、トヨタだけでなく日本を代表する大企業は、すべからく業務の効率化という合理的な選択をすることで成長を遂げてきました。

参考>>トヨタ | かんばん方式とは何ですか?

企業を動かしているのは?

人、物、金が企業を支えている三大要素であることは、広く知れ渡っています。それぞれ重要な物ですが、企業が新たなサービスを提供するにあたり、特に重要になってくるのが人、すなわち人材だと言えます。能力のある人材がいなければ、新たな発想が展開されることもなく、既存のシステムに捉われた保守的な企業になってしまうのです。

各社が競争して、企業に利益をもたらしてくれるような人材を獲得するために動き出しています。これまでは、男性ばかりを雇おうとしていた企業が多かったのですが、現在ではその風潮も変わり、女性社員も積極的に登用しようと考えている企業も多くなってきました。ではなぜ企業が女性に目を向けるようになってきたのでしょうか。

女性は男性と比べて、出産や育児など、企業にとって様々なリスクを持っています。せっかく雇ったとしても、そういったことが原因で2年や3年で仕事を辞められてしまうと、新入社員を育てるためにかかった時間やお金が無駄になってしまうため、以前は女性の雇用を嫌っていました。ですが、男性には無いような女性特有の細やかな気遣いなどの感性は、企業が新たなサービスを展開するにあたり必要な要素になり得るため、男性しか雇わないという保守的な考え方
は見直されたのです。

女性管理職が少ない理由

女性も採用するという風潮は、現在新たな風潮として社会から受け入れられつつありますが、まだまだ保守的な考えを持っている企業も多いのが実情です。資金に余裕がある大企業は、そういった挑戦をすることも可能ですが、失敗するリスクもあるため、中小企業ではなかなか取り入れられないのだと言われています。社会の大部分が中小企業でできていますので、女性管理職が少ないと言われることもうなずけます。

しかし、新たな風潮が中小企業にも浸透するにつれて、女性が企業の行く末を担う存在になっていくことは明らかでしょう。職種によっては女性管理職が増えてきているものもあります。例えば、公認会計士です。そもそも公認会計士になるまでの道のりが長いですが、試験に合格して認められれば長く続けられる仕事です。実際に会計事務所や税理士法人で管理職が女性という求人も多くみられます。

これらの情報が可視化された影響からか、就職や転職をするうえでキャリアアップがしやすく、管理職になりやすい業界を選ぶ女性も少なくありません。

男性だけ採用する、といった方法では人材は全人口の半分にしか目を向けていませんが、女性も採用するとなると、企業が持つ可能性は単純計算で倍になります。したがって、性別を問わず積極的に能力のある人物を採用するという方法が、より多くのサービスを提供するために必要な、合理的な選択なのだと言えるのです。