システムアーキテクトとは?

システムアーキテクトとは、正式にはシステムアーキテクト試験といい、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が、実施しています。
システム開発現場で上流工程のリーダーとして働く上級エンジニアのスキルを認める国家試験です。

この試験の受験者として想定されている人物像は、専門分野をもつ高度なIT人材で、ITストラテジストの提案に沿ったシステム開発の必要条件を定め、システムの論理的構造の設計や、情報システムの開発を指揮するリーダーです。

位置的には、IT系技術者として実績を積んでおり、必要な知識を備え、情報システムや社内システムの開発業務を理解している人で、システム開発のリーダーを目指す人におすすめの資格です。

資格取得によって社内での昇給や昇格、転職によるキャリアアップに有利になる資格で、IPAが実施する試験の中でも上位試験に区分されています。

システムアーキテクト試験の内容

(参考記事)
システムアーキテクト試験 - IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

試験では、情報システムと組み込みシステムに関する問題が出されます。

情報システムでは、
(1)契約・合意に関する問題
(2)企画に関する問題
(3)要件定義に関する問題
(4)開発に関する問題
(5)運用・保守に関する問題
(6)システム簡易初に必要な関連知識に関する問題
が出題されます。

組み込みシステムでは、
(1)機能要件の分析および、機能仕様の決定
(2)機能仕様を満たすためのハードとソフトの要求仕様の決定
(3)組み込みシステムに最適な設計手法の決定
(4)汎用モジュールの利用
が出題範囲となります。

試験は年に1度、10月の第3日曜が試験日として予定されています。
試験は午前に2つ、午後に2つと4つの試験があり、午前は試験Iが四肢択一試験で50分、試験IIが四肢択一試験で40分。
午後は午後Iが記述試験で90分、午後IIは論述試験で120分です。
合格ラインは午前I、II、午後Iの試験がそれぞれ満点中60%以上、午後IIの試験は評価ランクでAの取得となっています。

2016年の受験者数は8,157人、合格率は13.9%でした。
非常に難しい試験なのがわかります。
取得するためにはかなりの勉強が必要ですが、システム開発でバリバリ活躍したい人には、非常にメリットの高い資格なので、チャレンジする価値はあります。

試験対策としては問題集や過去問題を解くことです。
論述問題も実際に論文を書いてみて、試験での時間配分をしっかりと体で理解するようにするのがポイントです。
仕事をしながら独学をするのは大変ですから、セミナーやスクールを受講するのもおすすめです。

ITストラテジストとは?

ITストラテジストとは、正式にはITストラテジスト試験といい、ITを経営に生かす戦略家としての能力を証明する試験で、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施しています。

この試験は国家試験の情報処理技術者試験の1ですが、IPAはキャリアパスに沿って系統立てて勉強ができるように、情報処理技術者試験を4つのレベルに分けています。
ITストラテジスト試験はその中で最高レベルのレベル4の試験となります。

この試験の受験者として想定されている人物像は、専門分野をもつハイレベルなIT人材で、情報技術を駆使して企業の基本的な戦略を立案、提案、推進できる人、または組み込みシステムに関する企画や開発を統括し、新たな価値を創出するための基本戦略の立案、実行ができる人です。

ITストラテジスト試験の内容は?

(参考記事)
ITストラテジスト試験 - IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

この試験で試されるスキルは、情報技術を活用したコンサルティングや開発業務ができる能力で、主に次の5つの知識や技能があるかどうかが試されます。
第1は、業種ごと特徴を考慮しつつ、情報技術を駆使して事業戦略を立案し、その結果を評価できる能力。
第2は、業種ごと特徴を考慮しつつ、情報システム戦略と全体のシステム化計画の立案と、実施した結果を評価できる能力。
第3は、情報システム戦略を遂行するために、個別のシステム化計画を立案し、その結果を評価できる能力。
第4は、情報システム戦略を遂行するために、各事業の制約などを踏まえつつ、複数の案件から構成される改革案の実行・管理能力。
第5は、組み込みシステムの開発計画の立案と、開発から製造、保守へと至るライフサイクルの統括能力。

企業の経営戦略や開発事業の指導者として能力が求められるため、かなり難易度の高い試験となっています。

試験は年に1回、秋に実施され、午前と午後にそれぞれ2つの試験があります。
午前の試験Iは四肢択一で50分、試験IIは四肢択一で40分です。
午後の試験Iは記述式で90分、試験IIは記述式で120分。
合格レベルは、午前I、II、午後Iは満点中60%位上、午後IIは4段階の評価ランクでAの取得となっています。
2016年の受験者数は6,676名、合格率は14.0%でした。
非常に難易度の高い試験であることがわかりますね。

特に午後の試験は難易度が高く、時間切れになって全部回答できない人も多くいます。
何を問われているかをしっかりと把握できるように、文章読解力を身に付けましょう。
そのためには何度も過去問題を解いて、どのようなことを問われる傾向が強いのかを体で覚えることが大切です。
また、合格論文の事例集も出版されていますから、どのような答えが合格になりやすいかを知るためにも、このような本を参考にすることをおすすめします。

応用情報技術者試験とは?

応用情報技術者試験とは、高度なIT人材になるために必要な知識や技能を持つことを証明する国家資格で、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が、実施しています。

IPAはその人のレベルに合わせて段階的に勉強ができるよう、レベルに分けて試験を行っています。
レベルは基本レベルのレベル1から、専門的なレベルのレベル4まで4段階に分かれており、応用情報技術者試験は、レベル3となっています。
位置づけ的には、入門レベルを終えて、ある程度の実務経験がある若手エンジニアで、より高度なITエンジニアへ飛躍する前段階の人材向けの試験となります。
このため、試験に合格すると、IT系職種でのスキルアップや、転職によるキャリアアップに有利です。

応用情報技術者試験の内容

(参考記事)
応用情報技術者試験 - IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

応用情報技術者試験で想定されている人物像は、基本的な戦略立案またはIT関連実務に従事しており、誰にも頼らず次のいずれかの仕事が遂行できるスキルがある人です。
具体的に求められるスキルは、企業や社会システムが抱える課題に対して、情報技術を利用した戦略立案ができるスキル。
そして、システムの設計や開発、または汎用製品を最適に組み合わせて高性能なシステムを構築し、安定運用ができるスキルです。

これらのスキルの有無を判定するために、試験では戦略立案とシステムの設計・開発について、次の様な能力が問われます。

まず、戦略立案では
(1)経営方針を把握するとともに、現在置かれている外部環境を的確にとらえ、情報を収集できるスキル
(2)決められたモニタリング指標をもとに、差異分析が行えるスキル
(3)戦略を提案するための提案書の一部を作成できるスキル
です。

システムの設計・開発に関しては、
(1)アーキテクチャの設計時に、システムへの要求を整理・適用できる技術があるかどうかを調査できるスキル
(2)他のチームメンバーと連携しながら、担当業務を行えるスキル
(3)実施すべき内容、予算や工程、品質管理ができるスキル
(4)上司などの方針を理解し、自分で技術的な問題を解決できるスキル
です。

試験は春と秋の年に2回実施されます。
試験時間は午前と午後に分かれており、午前・午後ともに各150分です。
午前は四肢択一のマークシート方式、午後は記述試験となります。

2016年の受験者数は9万6,947名、合格率は21.0%でした。
難易度が高めなので、しっかりと勉強してチャレンジしましょう。
働きながら勉強するのは大変です。
特にITエンジニアは多忙ですから、計画的に勉強を進めていくように心がけてください。

基本情報技術者とは?

基本情報技術者とは、情報システムの開発・運用に関するスキルを証明するための国家資格で、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が、実施しています。

IPAはキャリアパスに合わせて、系統立てて資格が取得できるように、試験区分にわけて数多くの試験を設けています。
基本情報技術者とは、試験区分のなかでも入門レベルとなる試験で、ITエンジニアを目指す人や、ITエンジニアになったばかりの人向けのものです。
この試験に対応することで基礎知識が十分に身に付くので、仕事で役立つだけでなく、自分に求められる役割を把握する能力や、基礎知識を応用する能力が身につき、その後のスキルアップへとつなげることができます。

この試験に合格すると、新卒生のIT系企業への就職に有利になるほか、ほかの分野からIT分野への転職で有利になります。
ただ、すでにIT系企業で働いている人が、ITエンジニアとして他の企業へ転職する際には、ものたりないレベルとなります。

基本情報処理試験の内容は?

(参考記事)
基本情報技術者試験 - IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

この試験の受験者に想定されている人物像は、企業や社会システムが抱える課題に、情報技術を利用した戦略立案ができる人材。
そしてシステムの設計・開発を行って、ハイクオリティな高いシステムを構築・運用できる人です。

試験では、情報技術を利用した戦略立案に関しては、
(1)自分が行う業種や業務ついて基本的な事柄を理解しており、担当業務に活用できるスキル
(2)上司などの指導に従って、情報戦略の予測や分析、評価ができるスキル
(3)上司などの指導に従って、情報戦略の提案ができるスキル
が求められます。

システムの設計・開発に関しては、
(1)情報技術の基礎知識を担当業務に活用できるスキル
(2)上司などの指導に従って、システムを設計・開発・運用するスキル
(3)上司などの指導に従って、ソフトウェアを設計するスキル
(4)上司などの指導の目的を理解し、自発的にソフトウェアを開発するスキル
が求められます。

試験は春と秋の年2回行われます。
試験時間は午前と午後に分かれており、いずれも150分ずつです。
午前の試験は四肢択一問題、午後の試験は多肢選択式問題となっています。
2016年の受験者数は13万6,376名、合格率は26.6%でした。

ITエンジニアの基礎的な試験ですが、かなり難易度が高いことがわかります。
しかし、ITエンジニアとしてキャリアアップを目指すなら、ぜひ取得しておきたい資格です。
そして、次のステップである応用情報技術者試験や、さらに上のレベルの資格取得を目指しましょう。

ITパスポートとは?

ITパスポートとは、ITを使う人が知っておくべき基礎知識を証明する国家試験です。

ITを活用した経営戦略やマーケティングから財務、法務など、経営に関する知識をはじめ、セキュリティやネットワークといったIT環境の知識、プロジェクトマネジメントの知識など、広範な分野の知識が問われます。

社員の人材育成に活用している企業や、就職活動で提出するエントリーシートに、この資格の記入を求める企業もあるため、社会人にとっては必須のスキルともいえます。

IT社会で活躍するために、なくてはならないパスポートであるため、ITパスポートと名付けられました。
このため学生から社会人まで多くの人が受験しており、2016年度の受験者は43%が学生、57%が社会人でした。
また、社会人受験者のうちIT系企業で働く人は47%、IT系以外の企業で働く人は53%となっています。
比較的基本的な知識に関する試験ですから、20代の受験者が多く、受験者の48%が20代となっています。
なるべく早めに取得しておきたい資格といえますね。

ITパスポートの試験内容

(参考記事)
ITパスポート試験 - IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

受験者に求められる能力水準は次の4点です。
1点目は、コンピュータシステムやネットワークに関する知識があり、事務作業でパソコンを操作できるスキル。
2点目は、企業活動や関連業務の知識があり、担当業務の課題を解決するために、システム的な考え方や論理的な思考ができるスキル。
3点目は、IT関連や個人情報などの法規や、情報セキュリティのスキル。
4点目は、情報システムの開発と運用に関するスキル。

試験範囲はストラテジ系、マネジメント系、テクノロジ系の3分野に分かれています。
ストラテジ系では(1)企業と法務、(2)経営戦略、(3)システム戦略
マネジメント系では(1)開発技術、(2)プロジェクトマネジメント、(3)サービスマネジメント
テクノロジ系では(1)IT技術の基礎知識、(2)コンピュータシステム、(3)ヒューマンインタフェースやマルチメディア、データベス
など、ITに関する技術要素に関する問題が出されます。

基本的な知識に関する試験といっても出題範囲が広く、IT関連だけでなく経営に関する問題や法務、企業活動などにも及びます。
2016年の合格率は平均で48.5%でしたが、学生は36.2%、社会人は57.3%となっています。
実務的な問題も出題されるため、社会経験がない学生には比較的難易度が高い試験といえますね。
社会人は57.3%ですから、約2人に1人が合格するレベルです。
やはり、しっかりと勉強して臨むべきでしょう。

試験は、四肢択一問題が100問、試験時間は120分です。
合格基準は1,000満点中600点以上ですが、このうちストラテジ系、マネジメント系、テクノロジ系の3分野の得点が、それぞれ300点以上なければ合格できません。