仕事ができない部下がいる

仕事ができない部下に悩みを抱える上司を多いのではないでしょうか。
上司の指示を聞いていなかったり、ケアレスミスがばかりだったりすると、どう対処すればいいのか分からなくなります。
本人の問題もありますが、対応によって部下のモチベーションを下げているかもしれません。
今回は仕事のできない部下の特徴を踏まえ、そのような部下を始動する際のポイントや対象法について紹介します。

仕事ができない部下の特徴とは

仕事ができない部下の特徴として、以下の点が挙げられます。
・仕事が覚えるのに時間がかかる
・報連相ができない
・常識に欠ける言動や行動が見られる
・ミスを連発する
周囲に仕事ができないと思われている人は仕事の質を上げる以前に改善すべき点があります。しかし、部下自身が自覚していなければ、改善するには周りの助けも必要になるでしょう。
それぞれの詳細について解説します。

仕事が覚えるのに時間がかかる

仕事ができない部下の特徴として、業務を覚えるのに時間がかかるという共通点があります。
物忘れが多く必要な準備ができていなかったり、納期を守れなかったりするなど、初歩的なミスが多く見られます。
自覚しているはずなのに、仕事を覚えるための工夫や対策を、自ら進んで行わないのも特徴です。
まずは部下ができるように対策や工夫を施し、部下の力では変えられない問題があれば仕組みを変える必要があります。
本人が努力しているのであれば、長い目で見た適切な指導が重要になるでしょう。

報連相ができない

上司が的確に仕事の指示を出しているのに、自分の判断で勝手に動く部下が当てはまります。
また、返事もせず、上司の指示を無視するといった状況もあげられるでしょう。
それは部下が報連相を疎かにしていることが原因です。
部下が仕事に対する不明点や疑問点を相談しなかった結果、期限ギリギリになってもできていませんという事態が起こりかねません。
上司側は相談しやすい雰囲気を作るように配慮する必要があります。

常識に欠ける言動や行動が見られる

社会人としての常識がない行動をとる場合があります。勤続数カ月を過ぎても挨拶をしないようなタイプの部下には注意が必要です。

また、仕事のミスを報告せず、隠そうとする部下も常識に欠けるといえるでしょう。
このような部下がいる場合、結果的に上司がフォローしなければならず、業務への負担も大きくなるので、上手く指導する必要があります。

ミスを連発する

同じミスを何度も繰り返して業務に支障が出てしまうようなケースです。
これは任せている仕事や分野の業務が苦手である可能性が高いため、他の業務を任せてみると上手くいくケースもあります。
何度もミスが続くようなら、本人と面談をしながら配置転換を行うのも手段の一つです。

仕事ができない部下に対してやってはいけない指導方法

仕事ができない部下を指導する際、注意したいことがいくつかあります。指導方法が悪いと状況を悪化させるだけではなく、部下はパワハラだと感じてしまうかもしれません。

感情的な対応

「指示をしていたのに、期日までに資料が上がらない」
「何度も教えた工程を繰り返して失敗する」
何度指摘しても改善されない部下のミスに対して、イライラしながら対応していませんか。
部下には様々なタイプがいます。要領よくこなせる人もいれば、何度聞いても理解が遅い人も。
ネガティブな感情は部下にも伝わります。このような感情が上司に質問や相談しづらい雰囲気を作ってしまうのです。
これは部下だけの問題ではなく、相談しづらい雰囲気を作っている上司の責任といえます。
このような状況を放置すると、相談できない部下が勝手に自分の手順で進めてしまい、後々大きなミスにつながる恐れがあります。
余裕をもって業務に当たれるように、上司が業務調整をしなければなりません。

部下の個性を否定しない

部下の考えを自分とは違うと切り捨てていませんか?
上司に否定されたことで、モチベーションをなくしてしまうと、場合によっては離職につながるでしょう。
重要なのは本人が改善しようとしていることに、できないところばかりを責めるのではなく、できるようになった点を褒めるように意識することが重要です。

上司としての仕事をしない

指示に従わなかったからといって、上司であることを放棄してはいけません。
指導が必要な場面で見限り放置したり、丸投げしたりすると、部下を育てるどころか、潰してしまいます。
部下一人ができるまで管理し、できなかった時は部下の意見を聞きながら解決方法を考えなくてはなりません。

仕事ができない部下はやめさせるべき?

あまりに仕事のできない部下を受け持つと「やめさせるべきでは?」と考えるかもしれません。
組織を運営させるうえで、選択肢の一つではありますが、その判断は慎重に行う必要があります。

そもそもやめさせるのは難しい

実際、上司が部下をやめさせたいと考えていても、簡単にはやめさせることはできません。
これは労働基準法によって、不当な解雇が禁じられているためです。
解雇には懲戒解雇と普通解雇があり、仕事ができない部下にやめてもらうケースは普通解雇に該当します。
普通解雇は業務遂行能力の低さや勤務態度の悪さなどが理由となる解雇のことです。
しかし、ただ単に仕事ができないという理由だけでは、部下をやめさせることはできません。
会社側が十分に教育や指導を行ったものの、それでも改善されなかった場合、解雇の正当性が認められます。
一方的に会社がやめさせた場合、訴訟沙汰になるケースもあるので、会社として簡単に解雇するのは難しい状況です。

やめさせるのは最後の手段

部下をやめさせるのは最後の手段です。
部下をやめさせるのは難しいことですが、部下がやめて欠員が出ると新しい人員を補充しなければなりません。
新しい人材を確保するのは、相応の時間や労力・コストがかかり、採用後も教育のための時間や労力を割く必要が出てきます。
仕事ができない部下への指導や教育で改善できる見込みがあるなら、そのほうが会社としてコストが抑えられるのです。
仕事ができない部下を継続して指導する場合と、新しい社員を採用して教育するコストを比較して、どちらが良いのか慎重な判断が必要になります。

仕事ができない部下を始動する際のポイント

仕事ができない部下は、自分から疑問や不安を伝えることが苦手なタイプが多い傾向にあります。
まずは部下の目線に立ち、今後の対応を考えるようにしましょう。

コミュニケーションをできるだけ取る

まずは部下とのコミュニケーションから見直してみましょう。仕事ができないとレッテルを貼ってしまった部下とはコミュニケーションが希薄になりがちです。
また、部下自身も上司とのコミュニケーション不足で報連相ができない場合も考えられます。
日ごろから何気ない会話を取り込むことで、部下との信頼関係を築いていけるでしょう。
普段からコミュニケーションを取っていると、何かあったときにすぐに報告がもらえるなど、仕事を円滑に進められます。

マニュアルを細かく作る

上司が指導する手間を省くため、ルーティン業務はマニュアルを作成しておくとよいでしょう。
紙媒体である必要はなく、スマートフォンのリマインダー機能やタスク管理ツールなど活用してもよいでしょう。
説明不足が原因で業務フローを理解できていない可能性があります。マニュアル化によってわかりやすく説明するのは効果的です。
仕組みを作り業務を正確にこなしながら精度を上げ、徐々にペースを上げていくよう指導する必要があります。
部下が手順を質問してくる手間が省けるため、上司が自分の仕事に集中できる時間が作れます。

感謝の気持ちを忘れない

部下に対する態度は、あなたがかつて上司にされていた態度を反映しています。
例えば上司からの依頼を対応しても感謝の言葉をかけられていないなら、それが当然と思いがちです。
しかし、部下が依頼をきちんと対応してくれたなら、感謝を示すべきです。
また、手順通り仕事を進められたり、新規契約を取ってきてくれたりしたら、タイミングを逃さず、必ずほめるようにしてください。

仕事ができない部下を指導するときに注意したいポイント

部下の指導に取り組む時の注意点についても見ていきましょう。

感情的にならない

仕事ができない部下の指導は、上司にも負担がかかり、怒りの感情やストレスを感じるかもしれません。
ただ、感情的になってしまうと、部下との関係がこじれる恐れがあります。
また、他の部下がいる前で叱責していませんか?業務上、部下に対して叱らなければならない場面はありますが、周囲に誰もいない個室で注意をするようにしましょう。
大勢の前で叱責を受けた部下は辱めを受けたと感じ、出社拒否になる可能性が高いです。特に外国人を指導する場合、注意しましょう。
否定する言い方にならないよう注意しながら、建設的な言動で指導するよう心がけてください。

部下のモチベーションを下げない

上司が部下に指導する場合、ポジティブな面を伝えたあとにネガティブな面を伝えるようにするなど、伝え方に気をつけるようにしましょう。
職場のノルマをクリアできない場合、目標を細分化して小さな目標からクリアしてもらうなど、仕事のモチベーションを下げない配慮が必要です。

まとめ

仕事ができない部下の存在を受け止めることが大切です。受け止めることでストレスは軽減されます。
職場において仕事ができなくても給料が同じなら不公平と思われることもあるでしょう。
それなら、仕事ができない部下にしかできない仕事を割り振ることが大事になります。適材適所という言葉がある通り、できない部下がパフォーマンスを発揮できる場所を見つけるのも上司の仕事です。
部下をしっかり観察し、今まで気づかなかった良いところが見つかるかもしれません。そのような部分が見つかったら、感謝の気持ちを伝えるようにしましょう。
仕事ができない部下をできる部下にするには、特徴や対策を知っておくことが大切です。